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宅録するならコンデンサー?ダイナミック?どっちのマイクがおすすめ?|ナレーターの視点から

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会社員&二児の母しながら、自宅で声のお仕事をするパラレルワーカー・こまきです。

↑こちらの記事で、今使ってる~前に使ってた宅録機材をぜーんぶまとめてご紹介しました。

音響機器の専門家や、普段スタジオに出入りしていて詳しい方に気軽に聞ける方なら、どんな機材を買うかそれほど迷わずに済むのだと思いますが、一念発起で在宅ナレーターすることになった私はネットの情報がすべて……。

今でこそたくさんのナレーターさんがおすすめの機材を紹介していらっしゃいますが、私が始めたときは「宅録」で検索すると、ミュージシャンの方による解説記事ばかりで、楽器を録るのと声を録るのはちょっと違うんだろうなぁ…と素人ながらに思っていました。

なので、この記事は「声」、それも歌ではなく「ナレーション」を宅録で録ることに特化して書いていきます。

ここからいろいろ書いていきますが、「結論だけ知りたいんじゃー」という方のために最初に書きますと、私が今使っているマイクは「ダイナミックマイク」である「AUDIX OM6」です。

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コンデンサーマイクとダイナミックマイクの違い

この記事にたどり着いた方は、すでに「コンデンサーマイク」と「ダイナミックマイク」という2種類のマイクがあることを分かっていて、その上で迷っている人だと思うので、詳しい説明は省略します。

↓機材を検討する時に参考にさせて頂いた萩原悠さんのブログです↓

一般的に、ダイナミックマイクは安くて丈夫、コンデンサーマイクは高価で繊細・だけど高音質で録れるという解説を目にします。

「高いマイクを買えばいい」と言い切れない理由

ちょっと高価だけどプロユースで、湿度に弱いなど取り扱いが難しいという弱点を除けば高音質で録音できるのだからコンデンサーマイク一択なのでは?と思ってしまいそうですが、「宅録で使う」場合には、そうとも言い切れないというのが私の意見です。

それは、高性能ゆえにノイズを拾いすぎること。

↓こちらは、私の宅録環境でコンデンサーマイクとダイナミックマイクで録り比べた音です。イヤホンで聞いた方が違いが分かりやすいと思います。(音量にご注意ください)

「原音」は編集をする前の生音、「処理後」はホワイトノイズやリバーブの除去といった編集ソフトでの処理を行った後の音です。

どうでしょう??私には、ダイナミックマイクの方が「良く」聞こえるのです。

この時比較に使ったマイクは以下の2つです。

金額は、音響関係者御用達・サウンドハウスさんの販売ページでチェックしたものです。(2020年8月23日現在)分かりやすいように画像が出てくるAmazon等の販売ページにもリンクしています。

<コンデンサーマイク>audio technica AT2035:14,800円

audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT2035 コンデンサーマイク

audio-technica オーディオ・テクニカ AT2035 バックエレクトレット・コンデンサー型マイクロホン【現在、お届けにお時間がかかっています】【ただいま納期が未定となっています、ご予約受付中。】

<ダイナミックマイク>audio technica AT2005USB:9,980円

audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT2005USB
※画像見つからなかった… 

金額だけで言えば、コンデンサーマイクの方が高いマイクです。

なぜダイナミックマイクの方がいい音に感じる?

前置きとして、さきほどの音源を聞いて、「特に違いを感じない」という人も多いと思います。日頃イヤホン・ヘッドホンにめっちゃこだわるうちの夫も、「どっちが良いとか悪いとか、特に思わん」と言っておりました。

私が普段納品するナレーション音声は、WEB CMや企業のサービス紹介動画などに使われるもので、そこまでじっと聞き入るタイプの映像ではないことが多いです。

なので、一般人が聞いて、大きなクオリティの差を感じないなら、ここから先は「ナレーターの自己満足」の領域であるとも言えます。

私は自己に満足したかったため、マイク沼に自ら足を踏み入れました。

また、スタジオ収録と遜色ない金額でお仕事をいただくにあたって、できる限りこだわって、自信を持ってお届けできるクオリティを追求したいと思っていました。

なので、趣味~クラウドソーシングサイトのレベルでお仕事するならば、そこまでこだわる必要ないとも思っています。

本当にダイナミックマイクの方がいい音?

私の耳には、コンデンサーマイクの音声はくぐもっているような、1枚膜が張っているような音声に聞こえます。原音状態からそうなので、特に処理をしくじったというわけでもないと思っています。

このことについて、日頃収録音声を整えたり映像に合わせる作業をするミキサーという職業の方に意見を伺ったところ、次のようなお返事をいただきました。

ご自身のおっしゃるとおりコンデンサの方は音がこもってしまってますね。
(お!私の耳!間違ってなかった!)

なぜそのように感じる?

ではなぜそのような現象が起きてしまっているのか?

これは2035(注:コンデンサーマイク)の感度が高いので毛布(注:反響防止のため、周りに毛布を張り巡らせて収録しています)で高音だけ吸収され、低音は毛布くらいでは吸音されないため、結果として相対的に低音過多になっているためです。
さらにいうと感度が高いため極僅かな反射成分と直接音が干渉した音になって非常に処理しにくい音です。
一方ダイナミックの方は適度に感度が低いので口から発する空気の振動をバランス良く拾っているため理想的な音になっているとおもいます。ダイレクトにクリアな音でナレーションとして十分な品質でした。

自宅で孤独に、ネットの情報だけを頼りに環境を作り、音を作っていると、「このやり方で本当に正しいのか?」「この音で本当にいいのか?」と疑心暗鬼になりますが、こうしてプロの意見を聞けたことは大変参考に、そして自信になりました。

また、くぐもっている原因を詳しく解説していただいたことで、「もっと高いマイクならいい音が録れるのでは?」という終わりなきマイク投資沼に走らずに済んだことも感謝です。

↓私が一時期、本気で購入を検討していた高級コンデンサーマイク↓
これは本当にいいマイクです。

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とはいえ…

最後にこんな1文もありました。

両タイプとも自宅録音としては100点に近いよい品質で録音されているのですが、ミキサーとして選ぶとしたら前述の通りダイナミックの音の方が良い音ですのでこちらを採用します。

\「両タイプとも、自宅録音としては、100点に近い、よい品質で録音されている」/

この文章だけで、3日ぐらいご飯いらない…それぐらい嬉しかったです…(変態

まあつまり、私が悪い例として引き合いに出しているコンデンサーマイクの音でも及第点であるが、ダイナミックマイクのほうが「尚良い」ということ。

この「尚良い」を求め続ければキリがないですし、「及第点ならそれでいいじゃん」で決着するのもアリ。やっぱり自己満足の領域です。

(私の環境では)ダイナミックマイクのほうがおすすめ

また元も子もないことを言いますが、ここまで書いてきたことが、万人の宅録環境に共通すると言えないのも、宅録機材選びが難しい原因のひとつ。

私の環境は、地方の静かな住宅街の一軒家、2畳ぐらいの小さなスペースに作った手作り宅録スペース。
防音ブースを完備しているような宅録環境ではまた違う結果になるかもしれませんし、男性ナレーターさんで同じ実験をしたら、また違う評価になるかもしれません。

なので、「試してみるしかない」!w

私の環境ではダイナミックマイクがおすすめという結果になりましたが、コンデンサーマイクで問題ない品質で宅録のお仕事されてる方は大勢います。

この記事が、どうしてもどっちのマイクを買うか踏ん切りが付かないでいる方の、ひとつの検討材料になればと思います。

最後に

いいマイク・合うマイク探し以上に大切なのは、ノイズが発生しにくい環境を整えること!

マイク沼に落ちる前に、まず音の反射を防ぐ最大限の処置を施してから音質比較をしていくことをおすすめします。

▼私が使っている吸音のためのアイテム▼

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ファンシーでカオスな宅録環境が出来上がりますが、吸音性能は絶大です。笑

参考になれば幸いです。

サウンドハウス
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